小児期のトラウマが病気をもたらす仕組み

小児期のトラウマが病気をもたらす仕組み

1.幼い頃に、両親(または親代わりの養育者)によって、絶え間ない暴言・暴力・ネグレクト・精神的暴力・肉体的暴力を受ける。

2.脳の中の扁桃体という部位の樹状突起が拡大する(少しの刺激でもストレスホルモンが分泌されやすくなる)。

3.大人になると、少しの刺激でもすぐに扁桃体が過剰に反応してストレスホルモンが分泌されやすくなる。

4.ストレスがかかると、脳の底部にある進化的に古い視床下部が反応して、CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌される。その後、内分泌が活動するルートと、自律神経が活動するルートの2つの経路に分かれる。

内分泌ルート

まずCRHに促され、視床下部の下にある脳下垂体という部分からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)と、脳の神経細胞間の情報伝達を担う神経伝達物質の1つ、βエンドルフィンが分泌される。ACTHは、④腎臓のすぐ上にある副腎の副腎皮質という部分を刺激して、コルチゾールというホルモンの分泌を促進する。

視床下部からのCRHに促され自律神経が活動した場合は、交感神経からノルアドレナリンが分泌される。その刺激を受け副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが分泌される。アドレナリンが分泌されることによって身体の各器官で血管の収縮、瞳孔の拡大、心拍数の増加、血圧の上昇、食欲の低下などが生じる。

5.小児期のトラウマを思い出させるような状況に遭遇すると、その度に上記のルートでストレスホルモンが分泌される。コルチゾールの過剰分泌は免疫力を低下させ、病気にかかりやすくなる。また、アドレナリンの作用により自律神経が乱れやすくなり、自律神経失調症になりやすくなる。その他にも、ストレスホルモンの影響で不安になりやすく、そのせいでさらに免疫力が下がり、自律神経が乱れやすくなるという悪循環に陥る。

6.ネガティブなライフイベント(受験の失敗、離婚、人間関係のトラブル、破産、身内の死など)に遭遇すると、加齢によりただでさえ免疫力が低下しているところに、普通の人よりストレスによるダメージを受けやすい人は、ストレス耐性がキャパオーバーしてしまい、自己免疫疾患や自律神経失調症、うつ病などになる。

小児期のトラウマがもたらす病気から逃れるためには、小児期のトラウマを心理療法で癒すことです。そうすれば、ストレスホルモンが過剰に分泌されなくなります。

コルチゾールが過剰に分泌されなくなれば、免疫力は元に戻ります。また、自律神経が正常になることで、日々を快適に過ごせるようになるでしょう。

心の健康が身体の健康を生み出すメカニズムを、あなたは身をもって理解できるようになります。

>>>カウンセリングのお問い合わせ・お申し込みはコチラから